気泡工法
気泡工法とは、気泡掘削工法を等厚式ソイルセメント地中連続壁工法に適用した工法です。
気泡を吐出しながら地山の貫入掘削を行い、掘削土と気泡の安定液を造成します。その後、気泡のベアリング効果により流動性のある均質な気泡安定液に、造成時に固化剤を添加・攪拌し、気泡を消泡しながら気泡安定液と固化剤との混練を行い、ソイルセメント壁を造成します。
特徴
- 環境負荷が少ない
排泥土量と固化材使用量の少ない工法で、排泥土量は従来工法に対して40‐60%削減できます。
気泡安定液は地中への逸泥が少なく、消泡剤は生分解性であるため、周辺地盤に大きな影響を与えません。
排泥土にはベントナイトのような細粒分が混入していないため地山の状態に復元しやすく、処理や再利用が容易です。
排泥土低減による搬出車両の減少や固化材使用量の低減により、工事全体のCO2排出量も削減できます。 - 施工品質が高い
気泡安定液は、高い流動性により掘削土と固化材の混合撹拌性が向上し、均質な固化体が造成できます。
これにより、所要の強度と遮水性を満足する、均質なソイルセメント地中壁が構築できます。 - 施工費が低減
排泥土量が低減するので処理費が削減できます。
排泥土の低減による固化材ロスと、気泡安定液の高い流動性によるW/C比の低減により、単位セメント量を従来工法に対しておよそ20-40%削減できます。
気泡安定液は、掘削破砕土塊の再結合や掘削撹拌ビットプレートへの付着を防止できるため、掘削機械のカッタートルクが低減できます。これにより、機械負荷が低減され撹拌効率を向上できることから、施工能率が向上します。
気泡プラントが小規模であるため、作業用地が縮小できます。 - 施工・施工管理が容易
気泡安定液は、ベントナイト系安定液に比べて溝壁内の不透水層の形成が早く、比較的粗粒の砂礫層や被圧地下水層においても良質な透水槽が形成でき、掘削時の溝壁安定性および止水性が向上します。
気泡安定液は、増粘剤などの添加材を用いるベントナイト系安定液に比べて粘性が低く、また気泡によるベアリング効果や、掘削土塊の掘削撹拌ビットプレートへの付着防止により、カッタートルクが低下するため、削孔性能が向上します。
従来工法では、地中障害物の存在や大深度掘削などにより長時間の削孔を要する場合、掘削中のセメント硬化が問題でしたが、気泡工法は気泡安定液が非硬化性のため、これらの施工条件において有効な施工法となります。